ITライター 立山秀利
Excelでは、「表示形式」機能の「ユーザー定義」を利用すると、セルのデータをより多彩で柔軟な形式で表示可能となる。今回はその一例として、日付と曜日を一緒に表示する方法、数値の前後に記号や単位を付けて表示する方法を紹介する。
Excelのセルのデータをどのような形式で表示するかは、「表示形式」機能で設定できる。例えば日付なら、元のデータは「2015/1/21」と入力し、[ホーム]タブの「表示形式」から[長い日付形式]を選ぶと、「2015年1月21日」という「年」と「月」と「日」による形式で表示できる。
さらに「2015年1月21日(水)」などと、同じセル内に曜日も漢字で表示したいケースがある。しかし、Excelのセルの表示形式には、同じセル内に曜日も表示できる形式は標準で用意されていない。
そこで、セルの「表示形式」の「ユーザー定義」で、同じセル内に曜日も表示できるオリジナルの形式を定義すれば、「2015年1月21日(水)」という形式で表示できる。
表示形式を定義するには、目的のセル範囲を選択した状態で、[ホーム]タブの[表示形式]のドロップダウンから、[その他の表示形式]をクリックする。
(画像をクリックすると拡大表示します)
「セルの書式設定」ダイアログボックスの[表示形式]タブが表示されるので、「分類」の[ユーザー定義]をクリックする。
ユーザー定義の表示形式を追加するには、まずは「種類」の一覧から、基本となる表示形式である[yyyy"年"m"月"d"日"]を選ぶ。すると、一覧の上のボックスに表示される。
(画像をクリックすると拡大表示します)
そして、そのボックス内で、表示形式を「yyyy"年"m"月"d"日("aaa")"」と修正して、[OK]をクリックする。
(画像をクリックすると拡大表示します)
「yyyy」などは「書式記号」と呼ばれ、表示形式の定義に用いる特殊な記号である。今回用いている書式記号の意味は下表の通り。
書式記号 | 意味 |
---|---|
yyyy | 4桁の年 |
m | 月 |
d | 日 |
aaa | 曜日の省略形(漢字1文字) |
" | 固定で表示したい文字列を囲む |
これで、同じセル内に曜日も漢字で表示されるようになった。セルのデータはあくまでも「2015/1/30」なので、セルでの日付計算などに利用できる。
(画像をクリックすると拡大表示します)
また、曜日だけ別のセルに表示することも可能だ。例えば、A1セルに「2015年1月21日」と入っているなら、B1セルに「=A1」という式を入力した後、「表示形式」の「ユーザー定義」で「aaa」という形式を定義すれば、B1セルに「水」と表示できる。
(画像をクリックすると拡大表示します)
他にも、例えば、「"±"0"ミリ"」(※)という形式を定義すれば、セルのデータは数値の「1」だが、「±1ミリ」と前後に符号や単位を表示できる。定義に用いている書式記号の「0」は数値(整数)を表す。
この場合、セルのデータ本体は数値なので、他のセルでの計算などにも利用できる。
(※)プラスマイナスという文字を入力変換すると“±”が表示される
(画像をクリックすると拡大表示します)
このようにExcelの「表示形式」機能の「ユーザー定義」を利用すれば、セルのデータをより多彩で柔軟な形式で表示できるだろう。なおかつ、より幅広くデータ活用も可能となる。
立山秀利(たてやま・ひでとし)
カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。
(監修:日経BPコンサルティング)