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PC活用講座 - Excel

「Excelの便利機能活用術」
EOMONTH関数で締め日や支払日などを効率的に求める

ITライター 立山秀利

例えば「当月末の日付を知りたい」や「翌々月10日の日付を知りたい」など、締め日や支払日などをExcelで求めたい機会はしばしば訪れる。その算出に便利な関数がEOMONTH関数だ。今回は同関数を中心とする締め日や支払日などの効率的な求め方を紹介する。

月末の日付を求める

締め日など業務の区切りを月末に設定している企業は少なくない。月末の具体的な日付は、例えば11月なら30日、12月なら31日など月によって変化するため、手作業で求めるにはひと手間かかってしまう。しかし、EOMONTH関数を使えば手軽に求められる。

EOMONTH関数は指定した開始日から指定した月だけ前または後の月の最終日を求める関数である。
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=EOMONTH(開始日,月)

開始日 開始日の日付
月   月数
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※セルの書式設定は標準のままだと数値が表示されてしまうので、日付設定にする

引数「月」には、何カ月だけ後なのかを数値で指定。前の月ならマイナスの数値、当月なら0を指定する。

例えば、A2セルに受注日として2015/12/15が入力されているとする。B2セルに当月末の日付を求めるには、次の式を指定する。引数「月」には0を指定している。
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=EOMONTH($A$2,0)
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C2セルに翌月末の日付を求めるには、次の式を指定する。引数「月」には1カ月後の1を指定すればよい。
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=EOMONTH($A$2,1)
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B2セルには当月末の日付として2015/12/31、C2セルには翌月末の日付として2016/1/31が求められる。

図

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翌々月10日の日付を求める

また、Excelでは日付の足し算によって、指定した開始日から指定した日数だけ後の日付を容易に求められる。年や月をまたぐケースにも対応可能だ。例えば、A1セルに「2015/12/20」という日付が入っているとする。B1セルに「=A1+15」という式を入力すると、B1セルには15日後の日付である「2016/1/4」が求められる。

図

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なお、同様に日付の引き算も可能であり、指定した開始日から指定した日数だけ前の日付を求められる。

この日付の足し算とEOMONTH関数を組み合わせれば、「翌々月10日」といった支払い日などでよく使われる日付を簡単に求められる。

例えば、A2セルに受注日が入力されているとする。B2セルに支払日として、受注日から翌々月10日の日付を求めたいとする。

翌々月10日は翌月末の10日後に該当する。A2セルの日付の翌月末は「=EOMONTH($A$2,1)」で求められる。この日付に10を足せば、受注日から翌々月10日の日付が求められる。よって、B2セルには以下の数式を指定すればよい。
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=EOMONTH($A$2,1)+10
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B2セルには受注日から翌々月10日の日付として2016/2/10が求められる。

図

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このようにEOMONTH関数を中心に日付の足し算を組み合わせれば、締め日や支払日などを素早く簡単に求められるようになる。

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立山秀利(たてやま・ひでとし)

カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。

(監修:日経BPコンサルティング)