ITライター 立山秀利
数値を扱う集計データで小数点以下の数値を丸める方法(端数処理)でよく使われるのは切り上げ、切り捨て、四捨五入だ。そのような数値の処理は、関数を利用すると便利である。
今回は図1のような表を用いるとする。B5~B8セルには標準価格、C5~C8セルには割引率が入力してあり、D5~D8セルには小数点以下を丸める前のセール価格として、B5~B8セルとC5~C8セルの積をそれぞれ算出している。これらの小数点以下を丸めて、E5~E8にセール価格を求めたいとする。
図1
そこで今回は、数値を切り上げて丸めるためにROUNDUP関数を使う。
引数「数値」には、切り上げたい数値を指定する。今回の例のE5セルなら、丸める前のセール価格であるD5セルを指定する。今回は小数点以下を切り上げたいので、引数「桁数」には0を指定すればよい。E6~E8セルも同様にROUNDUP関数を用いれば、小数点以下を切り上げられ、目的のセール価格を求めることができる。
---------------------------------
=ROUNDUP(数値,桁数)
---- ----
( D5 , 0 )
---------------------------------
引数「桁数」に入れる値は、以下の表に示す。
引数「桁数」の値 切り上げる桁数
----------------------------------------------------
2 小数点第2位
1 小数点第1位
0 小数点以下
-1 1の位
-2 10の位
----------------------------------------------------
図2
(画像をクリックすると拡大表示します)
切り捨てにはROUNDDOWN関数を使う。
引数「数値」と引数「桁数」の指定方法はROUNDUP関数と同じである。今回の例のE5セルなら、引数「数値」にはD5セル、引数「桁数」には0を指定すればよい。E6~E8セルも同様にROUNDDOWN関数を用いれば、小数点以下を切り捨てたセール価格を求められる。
---------------------------------
=ROUNDDOWN(数値,桁数)
---- ----
( D5 , 0 )
---------------------------------
図3
(画像をクリックすると拡大表示します)
四捨五入にはROUND関数を使う。引数「数値」と引数「桁数」の指定方法はROUNDUP関数やROUNDDOWN関数と同じである。
---------------------------------
=ROUND(数値,桁数)
---- ----
( D5 , 0 )
---------------------------------
E5~E8セルにROUND関数を用いれば、小数点以下を四捨五入数値したセール価格が求められる。
図4
(画像をクリックすると拡大表示します)
このように3種類の関数を使えば、小数点以下を切り上げたり切り捨てたり四捨五入したりして容易に数値を丸めることができ、セール価格などの数字の調整も迅速に対応可能となる。
立山秀利(たてやま・ひでとし)
カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。
(監修:日経BPコンサルティング)