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PC活用講座 - Excel

「Excelの便利機能活用術」
時間外労働上限の「月45時間」をExcelで正しく管理するには

ITライター 立山秀利

Excelの標準機能では、24時間を超える時間は正しく表示されないようになっており、勤務時間管理などが適切に行えない。そこで、今回は24時間を超える時間を正しく表示する方法を紹介する。特に今年4月の労働基準法の改正により、時間外労働上限の月45時間が設けられる(中小企業は2020年4月から適用)。この上限を超えると法違反にもなるので、今回の方法を使ってしっかり時間管理をしてほしい。

24時間を超えると0に戻る

例えば図1のように、1カ月間の勤務時間をExcelで管理しているとする。B2~19セルに出勤時刻、C2~19セルに退勤時刻を入力し、D列では退勤時刻から出勤時間を引くことで勤務時間を算出。さらにE列では、標準の労働時間を8時間とし、勤務時間から8時間を引くことで、時間外労働を算出している。

そして、E20セルでは「=SUM(E2:E19)」で合計を求めている。結果として表示される時間は「11:45」である。各日の時間外労働時間を見ると、明らかに11時間45分以上あるので、正しい結果になっていない。

図

図1

実はExcelは標準では、24時間を超えると0に戻して表示するようになっている。そのため、24時間分がカットされた時間がE20セルには表示されてしまったのだ。

24時間を超える時間はこう表示する!

24時間を超える時間を正しく表示するには、セルの表示形式を設定すればよい。目的のセル(例ではE20セル)を選択し、[ホーム]タブの[表示形式]の[▼]をクリックし、[その他の表示形式]をクリックする。

図

図2
(画像をクリックすると拡大表示します)

「セルの表示形式」ダイアログボックスが開く。まずは[表示形式]タブの[ユーザー定義]をクリック。続けて、「種類」の一覧から「h:mm」を選ぶ。一覧の上のボックスを「[h]:mm」と書き換えて、[OK]をクリックする。

図

図3

これで、24時間を超える時間が正しく表示されるようになった。

図

図4

このようにセルの表示形式を適切に設定すれば、24時間を超える時間でも正しく表示されるようになる。時間外労働上限の月45時間の管理も適切に行えるようになる。

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立山秀利(たてやま・ひでとし)

カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。

(監修:日経BPコンサルティング)