ITライター 立山秀利
ピボットテーブルは前回までに紹介したとおり、切り口をいろいろ変えながら集計して分析できるが、さらに「フィルター」機能による絞り込みも同時に可能であり、より深く分析できる。今回はフィルター機能の使い方を中心に解説しよう。
ピボットテーブルのフィルター機能を使うと、データを絞り込んで集計できる。その際、行と列に指定した以外の項目で絞り込めるのが特徴だ。前回までに用いたピボットテーブルを例に解説する。
売上の表から、「行」のフィールドに店舗、「列」に商品を指定し、「値」に「数量」を指定し、店舗/商品別に数量を集計するピボットテーブルを作成したとする。これに曜日で絞り込むフィルターを追加し、曜日ごとの集計も見られるようにしてみよう。
その手順は最初に、画面右側の「ピボットテーブルのフィールド」にて、「フィルター」に「曜日」をドラッグする。すると、ピボットテーブル本体のすぐ上の1行目に、フィルターの項目が追加される(図1)。
図1
この時点では絞り込みは行われておらず、すべての曜日のデータで集計されている。曜日で絞り込むには、曜日のフィルターの[▼](B1セルのボタン)をクリックする。フィルターのウィンドウがポップアップで表示されるので、まずは[複数のアイテムを選択]にチェックを入れる。これで曜日を指定可能となった。絞り込みたい曜日のみにチェックが入った状態にして、[OK]をクリックする(図2)。ここでは週末(土曜と日曜)のみチェックを入れた。
図2
すると、フィルターで指定した曜日のみに絞り込まれる(図3)。これで、週末のみで、店舗/商品別に数量を集計できた。
図3
なお、図2で目的の曜日のみチェックする際、[すべて]をクリックで、すべての曜日でチェックを同時に入れる/外すことができるので適宜使うとよい。
絞り込みは行と列のフィールドでも簡単に行える。例えば先ほどの例にて行(店舗)で絞り込むには、「行ラベル」の[▼]をクリックする。フィルターのウィンドウが表示されるので、目的の店舗のみにチェックが入った状態にして[OK]をクリックする(図4)。
図4
これで指定した店舗のみで集計されるようになった。
図5
他にもフィルターウィンドウで、列での絞り込みも同様の操作で行える。
ピボットテーブルを使う際に注意してほしいのが、元の表のデータに追加・変更・削除があれば、必ず更新してピボットテーブルに反映させることだ。もし反映させないと、古いデータのままで集計・分析を行うことになってしまう。
データの更新は簡単だ。[ピボットテーブル分析]タブの[更新]をクリックするだけでよい。
図6
このようにピボットテーブルはフィルターによる絞り込みも同時に行える。特に、項目が多いデータの場合、注目したい項目をピンポイントで集計・分析できるので便利だろう。また、元の表のデータに追加・変更・削除があれば、忘れずに更新しよう。
立山秀利(たてやま・ひでとし)
カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。
(監修:日経BPコンサルティング)