ITライター 立山秀利
グラフを作成する際、データが億単位の金額など桁数の多い数字の場合、縦軸の目盛の桁数も多くなり、グラフ全体が乱雑な印象になってしまう。今回は桁数の多い数字でも、グラフをよりすっきり見やすくするための方法を紹介する。
例えば図1のように、億単位の金額で売上のグラフを作成すると、縦軸の目盛の数値の桁数が多くなる。さらにデータラベルを表示すると、その数値も桁数が多くなる。
図1
なお、データラベルを表示するには、グラフ全体を選択し、右上の[+]ボタン([グラフ要素]ボタン)をクリックして、[データラベル]にチェックを入れればよい。また、図1のグラフは「第1回 グラフのテクニック グラフの見た目を整えるには」(注1)で解説した方法に従い 、系列の色や幅、凡例の位置を調整したり、「軸の書式設定」の「軸のオプション」で「単位」の「主」を「5.0E8 」に設定したりするなどでデザインを整えている。また、「5.0E8」とは「5.0×10の8乗(500,000,000)」の意味だ。縦軸の目盛間隔を「500,000,000」に設定するために「5.0E8」と設定している。
このグラフの場合、縦軸の目盛とデータラベルの数値の「表示単位」を変更することで、表示される桁数を減らし、見た目を大幅にスッキリさせられる。ここでは例として、百万円単位で表示するとする。
まずは縦軸の目盛を右クリック→[軸の書式設定]をクリックするなどして、画面右側に「軸の書式設定」を開く。「軸のオプション」の「表示単位」の[▼]をクリックし[百万]を選ぶ。すると図2のように、縦軸の目盛が百万円単位となり、表示される桁数が減る。同時に縦軸の左側に「百万」という表示単位ラベルが追加される。さらに、データラベルの数値も連動して百万円単位になる。
図2
縦軸の左側の表示された表示単位ラベルの「百万」は左に回転しているので調整しよう。まずは横書きに変更する。「百万」の部分をクリックし、「表示単位ラベル書式設定」に切り替え、「配置」の「文字列の方向」を[横書き]に設定する(図3)。
図3
そして、表示単位ラベルをドラッグして縦軸の上に移動する。さらに表示単位ラベルの文言を「(百万円)」に変更して、フォントサイズを2つ下げてみよう。「百万」の部分をクリックして選択し、もう一度クリックすると、カーソルが点滅して文言が編集可能な状態になるので、「(百万円)」に変更する。続けて、ドラッグなどで文字そのものを選択すると、フォント設定のポップアップが表示されるので、フォントサイズを標準の10ポイントから8ポイントに変更する(図4)。
図4
もっとスッキリさせたければ、縦軸の目盛と「\」を非表示にするのも手だ。縦軸の目盛なら、「軸の書式設定」の「表示形式」を[数値]に変更すればよい(図5)。
図5
データラベルの「\」も非表示にできる。データラベルを右クリック→[データラベルの書式設定]をクリックして「データラベルの書式設定」を開き、「ラベルオプション」以下の「表示形式」を[数値]に設定する(図6)。
なお、データラベルの書式設定は系列が複数ある場合、系列ごとに設定する必要がある。図6では東京本社の系列のみ「\」を非表示にしている。大阪支社の系列も同様の操作で「\」を非表示にすればよい。
図6
このように桁数の多い数字でグラフを作成する場合、縦軸の目盛の表示単位を中心に各種設定を行うことで、大幅に見やすくすることができる。
注1:【第1回 グラフのテクニック】グラフの見た目を整えるには
立山秀利(たてやま・ひでとし)
カーナビのソフトウェア開発、Webプロデュース業務を経て、現在は、システムやネットワーク、Microsoft Officeを中心に執筆中。 主な著書に『Excel VBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』などがある。
(監修:日経BPコンサルティング)