執筆者:NEC AIプラットフォーム事業部
前回は、「RPAの戦略的活用で医療現場の働き方が変わる!」の第1回として、成功事例で見る医療現場におけるRPAの活用についてのヒントと、現場で使えるRPAツール、NEC Software Robot Solution(以下RoboSol)の特徴について説明してきた。
今回と次のコラムでは、前回でご紹介した事例とは異なる6つの利用シーンを紹介していく。
利用シーンの1つ目は、医療現場における医療関係者への情報伝達シーンについてだ。例えば、外来患者の感染症情報を漏れなく他の医療関係者に周知したい、というような利用シーンを想定した場合に、最も確実な方法は、該当患者のカルテに付箋か何かでメモを残すことだろう。
最近の電子カルテには、上記のようなニーズを満たすために、電子的にメモを残す、付箋機能が備わっている場合が多い。即ち、この付箋機能を使うことで、そもそもの問題は解決するのだが、付箋貼り付けを行う作業自体も人の手で行うため、対象の患者が多い場合に業務量は増加し、付箋の貼り間違えといったミスが起きないとも言い切れない。
このように、機械的に対象の患者を抽出し、その患者番号をもとに電子カルテを検索し、「この患者の処方は注意するようにしてください。」というような決められた同一のメッセージを付箋に追加していく作業はRPAにとっては最適な業務だ。対象患者が多くなればなるほど、人手によるミスも多くなるし、対象業務にかける時間も増加する。また、人による作業の場合、付箋を貼るという目的以外で患者のカルテ情報を不必要に閲覧できてしまうことによる個人情報の流出も危惧される。この業務のRPA化に関しては、費用対効果と、作業ミスの削減、個人情報の保護といった効果があげられる。
付箋貼り付け対象の患者の一覧はExcelで管理するのが適当だろう。RoboSolであれば、Excelを行単位でデータがなくなるまで繰り返しデータ抽出する機能を有しており、簡単にExcelからデータ抽出するロボットを作成できる。
利用シーン2つ目は、新薬の採用(取り扱い開始)や現状利用している薬剤の利用の取りやめなどを契機に行われる、薬剤をマスタ登録する作業でのRPA活用だ。近年では、新薬の追加のみならず、ジェネリック医薬品の供給不足などにより頻回に、かつ大量に登録作業が必要になっているケースが多い。医療機関によってどれだけこの登録作業が発生するかは異なってはいるものの、新規マスタの登録や紐づけ作業(メンテナンス作業)は、整備のボリュームが多く、手作業での実施にはかなりの時間を要するのが一般的だ。
薬剤のマスタ登録は、ざっくりと分けると、以下3つの作業に分けられる。
これらの作業のうち、(1)と(3)がRPA化可能な業務である。(1)のデータの抽出は、採用された薬剤のコードをもとにデータの抽出を繰り返す業務であり、(3)の登録作業は決められたデータを同じ画面に繰り返し入力していく作業で、どちらも定型的な作業である。残念ながら(2)のメンテナンスについては、薬剤ごとに変更箇所が異なるため、一律自動化は難しいが、(1)と(3)が自動化されるだけでも業務の効率化に大きく貢献できることは間違いない。
3つ目の利用シーンは、印刷代行だ。検査や手術を行う患者に、複数の同意書を印刷して準備する作業は意外と手間がかかる。医師としては診察だけに集中し、同意書の印刷といった作業はできれば別の人に任せたい。理想は、診察を行っている間に勝手に同意書が印刷され、診察が終わったタイミングで印刷された同意書を患者にお見せできる状態だろう。
【無償で体験!ハンズオンセミナー開催中!】RoboSolは、画像認識を特長としたPPAツールのため、電子カルテ上の決まった位置をクリックして印刷をさせるといった作業は簡単にロボット化ができる。RoboSol上の「クリック」ボタンを選択し、そのあとマウスでクリック対象の画像を囲むだけだ。RoboSolの操作体験は、毎月開催しているため、少しでも触ってみたいと思った方は、ぜひ無償のハンズオンセミナーにご参加いただきたい。 |
数が積み重なれば大きな削減効果となる。RPAは小さな作業の繰り返しを代行することで、医師が本来時間をかけるべき診察に最大限時間を割くためのお手伝いをすることができる。これは患者ファーストの医療の実現にもつながる。
以上、3つの利用シーンを紹介してきた。次回最後のコラムでは、さらに3つの利用シーンを紹介する。様々なシーンでRPAが活用できることを実感いただきたい。
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