アイスクリームといえば、真っ先に思いつくのは、三角形のコーンに乗せたものですよね。
実はこのアイスクリームとコーンとの出会いは、偶然の産物なのです。
16世紀ごろから氷菓子はヨーロッパなどで食べられるようになりましたが、シャーベットのようなものだったと言われています。現在のようなアイスクリームが完成したのは17世紀以降で、まだ生産が大変困難だったそうです。
大量生産できるようになったのは、19世紀ごろアメリカで手回しの攪拌機が開発されてから。そのころのアイスクリームはボウル状の容器に入れられており、冷たい生菓子として人気者になりました。
1904年、アメリカのミズーリ州セントルイスで行われたセントルイス万博でも、アイスクリームは人気があり、特に暑かったため飛ぶように売れましたが、その結果アイスクリームより容器のボウルが先になくなってしまいました。
それでもアイスクリームを買い求める人がたくさんいて、アイスクリーム屋さんは困り果てていました。
隣には小麦粉を使ったお菓子を焼いていたお店がありましたが、そちらはあまり売れ行きがよくなかったそうです。そこで、そのお菓子を薄くのばして巻いて、ボウルの代わりとして使う、というアイデアが生まれたのです。
考案者がアイスクリーム屋さんなのか、お菓子屋さんなのか、はたまた別の誰かなのか…は諸説ありますが、この薄く焼いたものは食感もよく、アイスクリームにピッタリ!
しかも手早く焼くことができたので、アイスクリームのお客さんを長時間待たせるということもなく良かったそうです。
これがきっかけで、アイスクリームはコーンに乗せるというスタイルが世界的に広まり、今ではボウルより定番のアイスクリームコーンが誕生したのでした。
この日が暑くなければ、ボウルの数が足りていたら、お菓子屋さんが隣になければ…
一つでも条件が合わなければ、アイスクリームとコーンは出会わなかったかも知れません。
誰も考えなかった組み合わせが、こうした偶然で生まれたのだと思うと、感慨深いですね。