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マシュマロは食べるな!
自制心を鍛えるヒント

心理学者であるホアキム・デ・ポサダ氏の面白い実験の話です。
4歳ほどの子供を大人のいない部屋に連れていきます。机の上にはマシュマロが1つ。
「ここにマシュマロを置いておくよ。15分して私が戻ってきた時にまだマシュマロがあったら、マシュマロをもう1つあげよう」と説明し、部屋に1人にします。
さあ、どんな結果になったでしょう。

子供のうち3人に2人はマシュマロを食べてしまいました。子供にとってマシュマロを目の前にして15分待つというのは、なかなか厳しい条件です。3人に1人だけはマシュマロをつまんでは皿に戻し、部屋をうろうろし、悩みながらも15分を乗り切って、もう1つのマシュマロをもらったのでした。

さて、面白いのはここからです。その子たちの14、5年後を追跡調査したのです。18、19歳になった子供たちには、違いが生まれていることがわかりました。15分間マシュマロを我慢できた子は、あらゆる意味でうまくいっていました。周囲の人たちと良好な関係を築き、成績も良く、将来の見通しが立っていて幸せだったそうです。

一方、すぐ食べてしまった子は何かしら問題を抱えているということでした。例えば成績が伸び悩む、好きなことに打ち込めない、周りの人との関係がうまく築けないなど様々ですが、うまくいっている子は一握りしかおらず、別の国で同じように実験してみても、同様の結果になったそうです。

この結果からわかるように、人生の成功において最も重要な要素は「自制心」だといえます。マシュマロを我慢できた子たちは、後の楽しみのために、目先の楽しみを我慢することを知っていました。その自制心が人生の様々な岐路で、大いに役立ったことでしょう。

自制心が重要であることは、大人は経験でわかっていることです。例えば、禁煙中に「一本だけ」と吸ってしまっては、禁煙はいつまでたっても達成できません。仕事上でも、約束を守る、困難な局面でも投げ出さない等、社会人としての行動ができるかどうかは自制心にかかっています。

しかし、自制心が弱い人は、どうしたら自制心を鍛えることができるでしょうか? 自制心を強く持つためにおすすめの考え方を4つ挙げてみました。

1. 気を紛らす方法を身につける

目の前にマシュマロがある状況でも、マシュマロから気をそらし、別のことに自分の意識を向けるようにします。

2. 誘惑に負けた結果を冷静に考える

マシュマロを食べてしまった後にはマシュマロがもらえないというデメリットを意識し、食べたい気持ちが大きくなるのを抑えます。

3. 物理的に誘惑に負けられないようにする

マシュマロを見えないところに置くなど、食べたくても食べられないようにすることです。禁煙中ならタバコを手元におかないことが一番ですね。

4. 我慢=楽しいこと、と思いこむ

我慢した後にいいことが待っているイメージを持つことです。我慢できた場合に自分にご褒美をあげるなどするといいでしょう。

マシュマロの実験では、自制心は訓練でも鍛えられることがわかっているそうです。自制心をもって、いい人生にしたいものですね。