左利きの人は、人類の中で約10%を占めているといわれています。芸術的、センスがいい、頭がいい…など左利きには様々なイメージがありますが、実際のところどうなのかは意外と知られていません。
今回は、統計やデータなどを含め、左利きについての雑学をお届けします。
日本国内においては11%ほどだといわれています。もともとは右利きの勢力が強く、幼い頃に左利きから右利きに矯正される人が多かったのですが、昨今増加気味ではあるようです。
他国に目を向けると、ある調査では左利きの比率が高いTOP3はオランダ(15.7%)、ニュージーランド(15.5%)、ノルウェー(15.0%)となっているそうです。
左利きの少ない国でトップクラスなのが2%のアメリカです。にわかに信じがたい2%ですが、一方で両利きが30%近いという驚きのデータが。実はアメリカでは左利きを無理やり右利きに矯正することは子供の成長において心理的ストレスなどの悪影響を及ぼすと考えられており、動作によって利き手を分ける「クロスドミナンス」という考え方で両利きになっている人が多いといわれています。
ある文房具メーカーの調査では、左利きで困ったことの上位は「はさみやカッターが使いづらい」、「食事中に隣の人と腕がぶつかる」、「自動改札にICカードをタッチしづらい」などが占めました。そのほか、楽器や車…すべて右利き中心で構成されているわけですから、左利きの人にとって不便なのも納得です。
逆に、左利きで良かった点はというと、筆頭が「スポーツでは有利」ということ。テニスや卓球などでは左利きが有利といわれており、特にフェンシングではプロ選手のうち半数が左利きだともいわれています。なぜ左利きが有利かというと、相手の一瞬の判断の中に左利きということで混乱をもたらすことができるから。反応速度が勝敗を左右する競技において、左利きは重要な要素となるようです。
では、左利きに天才が多いのは本当でしょうか。左利きであったことが確かである著名人といえば発明家のトーマス・エジソン、アイザック・ニュートン、ビル・ゲイツなど。天才と左利きの関係に科学的根拠はありませんが、「左利きの方が数学的な思考に強い」ということは科学的にも間違いがないようなのです。
左利きの人の脳の調査によると、「右脳がより発達している」、また「右脳と左脳のつながりが強く、情報処理力が優れている」ことがわかっているそうです。右脳は空間把握や情報処理をつかさどっており、ある数学の問題を解く実験では、易しい問題については右利き・左利きの差は出なかったものの、難問では明らかに左利きの方が高得点を出したという結果になったそうです。
ちなみに、世界で上位2%の高IQ(知能指数)を有する人たちの集団「MENSA(メンサ)」では、左利きが全体の約20%を占めるとか。人口全体における左利きの比率に比べ約2倍ということは、左利きに知能指数が高い人が多いということが言えるのかもしれませんね。