身の回りを見渡すと様々なサインがありますが、色が効果的に使われていますね。例えば「SALE」は目に留まりやすいよう赤と白、「注意」を意味する標識や踏切のバーは、黄色と黒である場合がほとんどです。
普段は色彩がもつ心理的効果はあまり意識されませんが、実は大きく影響するようです。色のパワーを活用した例として、「クールダウンピンク」の事例があります。
刑務所の壁や囚人の服、靴などをピンク色で統一したところ、刑務所内でのトラブルが減ったというのです。
もともと1979年に、アメリカのある海軍矯正施設の独房をピンクに塗る試みが行われました。囚人の攻撃性が低下する効果が見られたとし、当時の海軍将校の名にちなんでその明るいピンク色を「ベーカーミラーピンク」と呼んだそうです。その後、2011年にスイスの心理学者がベーカーミラーピンクより少し淡く落ち着いたピンク色を使って同様の実験を行ったところ、より大きな効果があることがわかりました。これが「クールダウンピンク」といわれています。
ピンクは「幸福感」「安心感」のイメージがあり、攻撃性や怒りを抑制する効果をもつといわれます。ピンク一色の部屋にいれば、怒りは15分も経てば静まってくるそうです。海外では刑務所だけでなく、警察学校や学校、精神病院などで活用されており、日本でも同様の事例がでてきています。
クールダウンピンクは、生活にも取り入れることをおすすめします。仕事をしていて嫌なことがあったとき、うまくいかなくてイライラするときなど、淡いピンクのものを見たり身に着けたりすることで、ストレスが少し抑制できるかもしれませんね。
そのほかの色のもつ効果は
赤 → 「興奮」「刺激」 眠いとき、アクティブにいたいときに
青 → 「冷静」「誠実」 冷静に考えたいとき、安眠したいときに
黄 → 「希望」「無邪気」 気分を明るくしたいとき、集中したいときに
緑 → 「調和」「安心」 穏やかにいたいとき、協調性を高めたいときに
黒 → 「高級感」「力強さ」 強さや安心感を示したいときに
白 → 「清潔」「純粋」 クリーンなイメージをアピールしたいときに
などです。時と場合に合わせ、うまく取り入れると色のパワーを仕事に活かすことができそうです。身に着けるもの、オフィスの壁や家具、名刺の色…いろいろなシーンで考えてみることで、シーンに合ったイメージをもつことができそうですね。