3日後までにプレゼン資料を作ることになりました。目の前には他のやるべきことがあり、プレゼン内容には練る時間が必要です。さあ、この仕事、あなたならいつやりますか?
「今日の仕事を済ませて時間が残ったら着手しよう」、「今はやる気がでないから明日やろう」と、先延ばしにしてしまうこともありますね。今でも後でも、結局は同じ作業をすると考えれば、労力に変わりはないと思いませんか。
でも、先延ばしにした作業をいざ済ませようと思ったときには、思ったより手間がかかるものなのです。まず、一旦先延ばしにしてしまったから気が重くて面倒に感じやすく、会議のメモを見返しても思考がなかなか前進せず、モタモタ。また、いくつかの要素を忘れたり、ブレが生じたりして、思い出す作業や決め直す作業が発生しがち。そのうえ納期が迫っていて、気持ちが焦ってしまう。つまり、先延ばしにしても作業が楽になるということはないわけです。
実に、仕事をすぐ済ませるのに比べ、先延ばしにしてから取り組むには倍の労力と時間を要するといわれています。これが、タイムマネジメントの専門家であるリタ・エメットが提唱した「エメットの法則」です。
そして、このエメットの法則にはポイントがもう1つ。それは、先延ばしの原因が「完璧主義」にあるということです。
プレゼン資料を作るには、しっかり時間が確保できるタイミングで、静かな場所で…そうそうコーヒーも淹れて…こんなふうに綿密に計画を立てた経験はないですか? 完璧な状態で着手することにこだわりすぎて、結果的により多くの時間がムダになってしまう例です。
仕事を効率的にこなすには、完璧に仕事をすることではなく、まずは仕事を完了させることを目指す。そのためには、完璧でなくても記憶が鮮明なうちにまず着手し、大枠ができてからクオリティを高める、という順序がおすすめです。
特に通常業務だけでも忙しい毎日だと、新しい案件や追加で発生した案件は先延ばしにしがち。でも、忙しいからこそ早くから手をつけて、最小限の労力で済ませたいものです。普段からエメットの法則を心に留めておけば、先延ばしは減らせるかもしれませんね。