地方診療圏における「看・看連携」への取り組みについて
看護連携(第5回)
2014年11月

執筆者:一般財団法人 福岡県社会保険医療協会
    社会保険大牟田天領病院
    看護部長 中島 洋子(なかしま ようこ)氏

皆様、こんにちは。
社会保険大牟田天領病院看護部長の中島洋子です。

これまで4回にわたって、私たちが活動を行なっている福岡県・熊本県の県境を越えた「有明地区看・看連携」についてお話をさせていただきましたが、早いもので今回が最終回となりました。

「主任看護師・副看護師長看護管理者研修」を企画して

今年は新たな取り組みとして「主任看護師・副看護師長看護管理者研修」を企画しました。

有明地区の看護の将来を担う中堅看護師である主任(副師長)クラスの育成は、看護管理者として重要な使命であると考え、任用後5年未満の主任を対象に、1年間の研修を行なっています。46名の参加者のフィールドはそれぞれ異なりますが、現在では講義だけでなくグループ研修も活発となり生き生きと受講されています。自分たちの役割を認識し、自覚した姿が回を重ねるごとに強くなり、頼もしく感じられるようになりました。

しかしながら、この研修を受講した人たちが、各施設・職場でいかに成果を発揮できるかが、私たちの課題のひとつであると思っています。この企画は、この地域の看護師が自施設だけでなく、他施設の人たちと意見交換ができ、地域の看護の質向上に繋がっていき、それが将来看護管理者として活躍するときに、大きな財産となると確信しております。

「有明地区看・看連携」の今後の目標

「有明地区看・看連携」の活動もスタートして2年が過ぎ、8月12日に第5回代表者会議を開催しました。新しく参加された方、交代された方等顔ぶれも変わりました。最近はこの場が良き交流の場となり、看護管理者のネットワーク、顔が見える連携として徐々に定着してきていることを実感しています。しかし、ここでとどまるのではなく、もっと活発に活動を行なっていく予定です。

看護管理者からは、次のような声が寄せられています。

  1. 連携室看護師の交流を企画し、それに行政を巻き込むなどの企画強化
  2. 管理者が顔の見える連携の永続化
  3. サマリー様式の統一化
  4. 患者の立場に立ち、継続した看護を提供していくための退院支援看護師の育成
  5. 「病棟看護師が在宅をイメージできない」、「在宅スタッフと温度差がある」等を解消する為、連携室やケアマネジャー対象の研修会の開催
  6. 地域看護の底上げの為の症例発表会、自施設の強みをPRする場の提供 等

今後も、「有明地区看・看連携」の活動がこの地域で評価されるよう、看護力強化を目指していくつもりであり、それが地域の看護の質の向上と患者や県境を越えた地域住民を中心とした看護の連携によって、医療・介護の地域連携に幅広く寄与していければと考えています。

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