今回は、次期病院機能評価(機能種別版)のVer.2.0についての情報提供と考察と題して、お話をしたい。
既に、ご存知の方も多数おられるとは思うが、来年4月より病院機能評価機能種別版(3rdG:Ver.2.0)が実施される。今年7月の国際モダンホスピタルショウにおいてもVer.2.0についての説明があった。その内容を含めて、変更点や注意点等について記述したい。
まず、最初の変更点として、「一般病院3」の新設がある。特定機能病院及び大学病院本院を対象とした区分であるが、その中に「ガバナンス」というキーワードが出てきている。解説によれば、「理念達成に向け価値・行動規範を共有した組織運営の仕組み」とされている。その他にも、特定機能病院などの役割・機能を反映した評価項目の新設として、「高度の医療」、「高度の医療技術の開発・評価」、「高度の医療に関する研修」がある。
また、Ver.2.0の全体的特徴で、強化の主なポイントとしては、「理念・基本方針」、「質の改善の取り組み実績」、「ガバナンス」が挙げられており、その中でも「質の改善活動の取り組み実績」においては、継続的改善活動事例が求められるようになった。評価方法についても強化されており、組織横断的な質の改善活動を確認するための評価方法が導入されることで、訪問病棟や確認症例が機構(サーベイヤー)によって指定される方法となるようである。要するに機構主導で、病院の機能に合った状況から審査が行われるように改良されている。
また、もう一つの大きな特徴としては、審査結果でC評価があった病院については、3年目の改善審査が導入されることになった。条件付き認定等で認定された医療機関及びC項目があった認定病院においては、それらの項目の改善状況を確認するために、3年目に審査が入ることとなる。
今回は、これらの項目の中から、まず、1回目として、一般病院3における主な強化内容を紹介したい。この区分に新設された項目は、何れ「一般病院1」及び「一般病院2」に何らかの形で組み込まれる可能性がある項目であり、機構側の方針が表れている項目であると考える。
以下、箇条書きにて項目を列挙する。
主な項目を列挙したが、総括して言えることは、やはり、「継続的改善活動の実施状況の確認」、「職員能力開発と研修の実施状況」、そして、「医療安全と感染対策の強化」ということになるであろう。特に、継続的な取り組みという表現が多いということは、「単発的改善では、認められない」、日頃から医療の進歩とともに最適な医療の提供を行う体制が重要であるということを言われていると考える。
より強化された印象を受ける「一般病院3」の項目であるが、ある意味、特定機能病院及び大学病院本院にとっては、当然の評価内容であるとも言える。
次回は、その他の機能種別で変更された点についての情報提供と考察について記述したい。少しでもお役に立てば、幸いである。