新型コロナウイルス感染症の影響により、今、多くの医療・健診機関で経営が悪化している。 職員の疲弊感も蔓延しており、働き方改革をはじめとした新たな取り組みが必要となってきている。
今回は、前回に引き続き、現場からの声をもとに、新型コロナウイルス感染症の影響と今後の健診機関の事業継続のあり方について考察し、健診機関における影響について記述する。
特に対応に苦労した(している)ものをすべて選んでください。(全施設回答:473)
出典:日本人間ドック学会「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート集計結果」より
これは、2020年5月時点での日本人間ドック学会のアンケート結果であるが、受診者への説明がトップとなっており、キャンセル等による再予約への対応に負荷が大きいのがわかる。
また、医療物資の確保や3密対策、頻回な消毒等、全体的に業務への負荷がかかっている傾向が見て取れる。
今年3月~5月の収入について、対前年比の割合を選択してください。(全施設回答:473)
出典:日本人間ドック学会「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート集計結果」より
3月時点では、8割近い施設が60%以上の対前年比を確保できていたが、4月の緊急事態宣言以降は逆転し、8.5割近い施設が60%以下となっている。
緊急事態宣言以降は健診を取りやめている施設も多く、その影響が出た結果となっている。
概ね実施できているものをすべて選んでください。(全施設回答:473)
出典:日本人間ドック学会「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート集計結果」より
ほとんどの施設が、感染対策予防策を講じている様子が伺えるが、やはり密を避ける方法については、まだまだ取り組みに苦慮している施設が多いことがわかる。
複数の健診機関に、コロナ禍における現状についてのヒアリングを行った。
以下の通りの区分で、事業実施及び受診面と経営・業務効率化面の両面から、ヒアリングの結果を記載する。
健診機関における主な対策の事例を、以下に記した。
健診機関の事業継続に向けては、以下のことに気を付けて、幅広い視点から実施をしていくことを推奨したい。
まとめとして、医療・健診機関の事業継続に向けては、以下のことに気を付けて取り組みたい。
今回は、「医療・健診機関における新型コロナウイルス感染症の影響」の後編として健診機関について記述した。
少しでもお役にたてれば幸いである。