ちょっとひといき 名城を歩く

名城を歩く

歴史を彩る武将たちの
野望が入り混じる駿府城

駿府城

駿府は覇権争いの地として、古くから武将たちの戦いの場となってきました。今川義元は駿府に拠点を置いたものの、子供の氏真の代に、武田家からの侵攻により居城は1568年に焼失。その後、1585年に徳川家康が駿府城の築城に着手しました。家康は秀忠に将軍職を譲ってから駿府城に腰を据え、「大御所政治」の拠点としました。晩年まで修築や城下町の止水事業に注力したことで知られています。

さらに、2018年に静岡市が実施した、駿府城天守台発掘調査で、徳川家の天守台の下には豊臣家の天守台が存在していたことが判明しました。豊臣家の「金箔瓦」を封じるように、徳川家の天守台が建築されており、この地が歴史の舞台そのものであったことが伺えます。

現在は駿府城公園として、東御門や巽櫓(たつみやぐら)などが復元されただけでなく、外周を巡る堀も駿府城ならではの特異な構造として歴史の佇まいを現代に伝えています。歴史の表舞台であり続けた駿府城の様々なストーリーに思いを馳せてはいかがでしょう。

  • 家康公の銅像
    晩年の家康公の銅像。家康は65歳からの10年を駿府城で過ごした。どっしりとした風格だ
  • 巽櫓
    駿府城二ノ丸の東南角にある「巽櫓」。1989年に復元された、全国でも珍しいL字型の櫓
  • 家康公手植のミカン
    県指定の天然記念物「家康公手植のミカン」。中国から鎌倉時代に伝来してきた紀州ミカンの1種

堀で囲まれた城郭そのままの「駿府城公園」
歴史的にも貴重な遺構が目白押し

鈴廣

家康が築いた駿府城の城郭は、そのまま駿府城公園として親しまれています。天気が良い日には富士山を眺めることができ、また四季折々の草花が彩り豊かな庭園でもありますが、歴史的にもぜひ注目したいポイントが盛りだくさん。城郭内に張り巡らされた堀や、徳川家の葵の御紋を模った「葵の御紋花壇」、石垣に残る数々の刻印や、近年にも新たな発見があった発掘調査現場など、見どころがたっぷり。歴史ロマンを感じながらゆっくり満喫したいスポットです。
歩き疲れたら、水上堀テラスや遊覧船もおすすめ。軽食をとりながら外周の堀を回って見学することもできるので、いろいろな楽しみ方ができそうです。

  • 石垣刻印
    石垣工事を担当した職人や大名が責任を明確にするために残した「石垣刻印」。場内に数多く残っている
  • 天守台
    天守台は現在も継続して発掘中で見学も可能。家康が作った天守台の下から、秀吉の金箔瓦が出土したのもここ
  • 葵号
    2021年3月から運航を開始した堀を巡る遊覧船「葵号」。城郭の外周をぐるりと舟から眺めてみよう

駿府城公園の散策のお供は「しぞーかおでん」!
新たな静岡ご当地グルメ「茶氷」もおすすめ

静岡のソウルフードとして知られる「静岡おでん」、静岡流にいうと「しぞーかおでん」。黒い出汁に黒はんぺんやなると、豚もつを串に刺して煮込んだ全国的に見ても個性派のおでんです。駿府城公園内にも静岡おでんが食べられる店があるので、小腹がすいたらぜひ立ち寄ってみよう。味わい深くて独特な静岡おでんはクセになるかも?
また、お茶処でもある静岡ならではのお茶を使ったかき氷「茶氷」も話題になっているグルメ。茶葉にこだわったものや、自分で抹茶を挽くものなど、店によって楽しみ方もそれぞれ。茶の新しい楽しみ方をぜひ体験してみて。

  • 黒はんぺん
    黒はんぺんは必須の具材。青のりとだし粉(鯖やいわしの削り粉)を上からたっぷりかけるのが流儀
  • 茶氷
    濃厚な抹茶ソースとマスカルポーネなど、意外な食材との組み合わせも楽しい静岡の
    「茶氷」

観光情報

駿府城公園

〒420-0855 静岡市葵区駿府城公園1-1
電車利用の場合 : JR静岡駅から徒歩約15分、静岡鉄道新静岡駅から徒歩約12分
車利用の場合 : 東名高速 静岡I.Cより車で約17分、新東名高速 新静岡I.Cより車で約18分
※駐車場はありません。市民文化会館前駐車場(地下駐車場・有料)をご利用ください。

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